夏の終わりかけに。
この夏も別に夏らしいことはなんもしなかったなあ、と写真を眺める。
これは6月のある日。ずうっと見たかった海を見に出かけたのだった。
あいにく曇天で、海を見るには物足りなかったのだけど、何年ぶりかに行った大好きな居酒屋さんがいまも変わらずあってめちゃくちゃうれし、おいしかった! 泣きそうだったよ!
写真のお酒は「雨降」あふり、という名前で瓶とラベルが美しい。
最近は天候が地球規模でおかしく、雨による災害も多く、恵みの雨、なんて言葉は忘れてしまいそうだったけど、全部忘れてしまうことなんて、あたり前だけどできないよなぁと、しんみりした。
季節の移ろいや、日々のなんでもない夕焼けや朝陽や風や水たまりの反射だとか、そんなものにいちいち心を動かしたり構ってる暇はないのか、と思ったりしてたけど、やっぱり、そんなこともあってもいいよね。
さてこのところはゴゴアメから、ささやかなお知らせをお届けするべく、コツコツ準備しておりました。来週辺り、お知らせできそうです。
なにかこうすべてがゼロから、という感じで、恐ろしいですが、なにもないところからはじめるこの気持ち自体は、悪くないです。
なんという暑さでしょう。6月のうちから。梅雨もほとんどなく。ギラギラ。
暑い暑いと言っても涼しくはならない、とわかっていても、暑いしか言葉が出ないよ!
きのうはまたここ数日で一番、気温が上がるとかいうからもう一歩も外へ出ないことにした。
「お前は家にいられるからいいじゃないか」そう、そうなの、外でお仕事の方々ごめんなさい。
でもね。うちのマンション、工事していて。朝からギーギーガーガー音がして、頭おかしくなりそう! なのよ。
施設の母のことも心配だが案の定というか、暑くなってから、たて続けにメールしてくる。最近はあまりメールもうまくできなくて、何日もこないとそれはそれで心配なのだが、たて続けに不満をぶつけられるとこちらが参る。暑いんだし仕方ない、メールできるくらいの元気があるならいいと思うのよ、思うのだが。イライラしてしまう。あまりイライラしないほうなのだがわたし。
で一昨日、面会に行ったら「暑いなか、よく来たねえ」と何度も大きな声で言うので、ほろっとしたり。
なんというか、何年経っても、気持ちの整理がつかない。驚く。おののく。ほんと。
写真はアメリカン・ブルー、以前なんとなく買ったら秋まで長い間、毎日、毎朝、花が咲くのが愛らしく、どうしてもまた欲しくて、花屋さんに頼んで入荷お知らせしてもらってまで手に入れたもの。この青の色も好き。
鉢はハンギングで、我が家では毎朝、ベランダの物干しにかけてるのだ。ハハハ、物干しって生活感でしょ。その様子がまた見たらかわいいんだよ。
でもこの異常な暑さだからねえ、丈夫な花だけど、いまはほとんど部屋の中に入れてる。
ああ! こうして書いていてもガーガーギーギーいう……イライラ解消法、教えて誰か!
マスクをするのに慣れ過ぎてしまい、買い物帰り、誰もいないときにもマスクしていることに気づいて(前は散歩中とかマメにはずしていたのにね)、はずしてみたら、夏の匂いがした。
そんなわたしもようやくちょっとずつ、外で飲んだりしていて。まだほんとうに数えるくらいだけど。
以前はごく日常だった居酒屋の酒や肴が、ものすごく非日常的で輝いて見える!
ところが2週間前くらいから、思いがけない体調不良に見舞われ……というか、この2年程の体調不良は全部思いがけないんだけど。なにこれってなって病院行って、え、なにそれっていうのばっかり。
まあ、あれですよ、わかりますよね? 「大人の階段を上がってる」ということですよ、ね。
あるいは、あれですよ。「誰にでも初めてはある」。歳のせいとは言わない、ね!(強めに押し込みました)
で、養生のため、家でもお酒を飲んでない。(でももう大丈夫です。ご心配なく。もう少しの辛抱じゃよ)
せっかく暑くなってきて「ビール日和り」になってきたのに。自分を羨ましがらせるために写真を貼っとく。
どうだ、あたし! ちくしょー、羨ましいぜ、あたし!
そんなわけで、ここに書こうと思っていたあれこれ(読書のこととか)を忘れてしまった。少しずつ思い出しておく。
健康第一、みなさまもどうぞ体に気をつけて。
これから梅雨だし。湿度、これがまた苦手なんだな、わたし……うん、気をつけて参りましょう。と書いていたら、雷が鳴りだした。
ゴールデンウィークはどのように過ごされましたか?
「3度目の春」、初めての「行動制限のない」連休とか言ってましたが。
少しはみなさん、行きたいところに行けたり、一息つけたのかなぁ。そうだと良いな。
ゴゴアメは朗読のリモートワークショップを2回だけ、最小人数で、ですがやりました。
そんななかで、いまだにリモート? なのですが、これはこれで、やり方も慣れてきたし、しばらく続けてみたいなと思っております。メンバーはみんな元気でたのしんでくれ、ありがたいことです。
自分は焦ったり凹んだり、悩んでばっかりで。
でも、一歩ずつ、ゆっくりやっていきたいなと。それだけは思います。
この連休中に、ゴゴアメの公演写真を撮ってくれている、本田光さんの個展が開催され、メンバーでかわるがわる行ってきたのも、たのしかった。
本田光さんの写真展「うきま」について、詳しくはこちら、エプサイトギャラリーのサイトを。
ぜひご覧ください。
https://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/exhibitions/2022/0428/
光さんが長年撮りためてきた写真がこうしてひとつの個展になり、それを観るわたしも歳月について思いを馳せ。
浮かんでくるのは失ったものばかりでなくて、でも得たもののことでもなくて、在り続けて変わり続ける日々を、うん、と肯定したくなり。うまく言えないけど、わたしにとってはそういうのが、光さんの写真の力だな、と。
わたしは明日香と都合が合って一緒に行けたので、帰りにお茶もできた。
それも有楽町のパティスリー・サダハル・アオキで! すてきなケーキと!
あと、仕事のお知らせも。
4月から『キングダム』第4期、放送開始しました。前期に引き続き、吉永、脚本チームに参加しております。
担当回の5話が放送されたところですが……わたしもアニメの瑠衣に会えるのをたのしみにしていたので、胸いっぱいです。
しかし今期はまだまだこれから、たくさんのドラマが展開されますので、どうかおたのしみに。です。
花水木、写真は少し前の。都内、いまは満開です。
しかしあいかわらずお天気は暖かくなったり冷えたりで、忙しいね。
読書、続けて長編を幾つか読んだ。
話題作では、先日、今年の本屋大賞を受賞した「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬(早川書房)
やっと読みました。
第二次世界大戦における、ソ連の女性たちによる狙撃隊の物語。
読む前はタイトルから、少女、戦う、どうかなとためらってしまったけど(邪念?)、心配無用。
冒頭から引き込まれる。辛い話なのに読み終わりたくない、という小説があるけど、これもそうでした。
ロシアのウクライナ侵攻によって、「タイムリー」になってしまったのは、悲しいことだ。
読んでいる間にもニュースを目にするし、絶望的な気持ちが、深まる。
それでも、いま戦争に心を痛めているひとたちにぜひ、読んでほしいなと思うし、戦争なんか知るかってひとたちも読んだらいい、と思うなぁ。
この小説を読み終わったときに心に残るのは「絶望」ではないから。
読んで誰かと語り合いたくなる小説と、ひとり胸のなかにしまっておきたくなる小説があるけど、これは語り合いたくなる。面白かった、面白かったって言っていいのか、いいのだ、と言い合いたい。