おととい7日に「緊急事態宣言」発令。七都道府県対象、5月6日まで。
わたしの暮らす東京都と、母のいる神奈川県も入っている。
先週は毎日のように悩んでた……たぶんこの状況では……と思ったとおり、母がお世話になっている介護施設も緊急以外、一切、面会禁止となった。ならなかったとしてももう面会は厳しいと思った。
いろいろ考えたけど結局、施設に電話で許可を得てから3日金曜、母に届けものだけしてきた。(事務所に預け、本人に渡してもらえる)
ちょうど事務所に施設長さんがいらっしゃったので、よろしくお願いしますと頭を下げてきた。
本人、わたしが現れずだとかえって不安になるかとも思ったのだが、あとからメールでことのほかよろこんでくれたようだった。
届けものの小銭入れ(自販機で飲み物を買うための)がかわいいとか、ささやかなことでうれしそうだった。
なので、行けてよかった。しかしこれでもう当面、届け物にも行かないと決めていた。行くだけで緊張してしまう。ウィルスを運んでしまわないかと……
もちろん細心の注意をはらっているが。だから緊張する。
先々週(3月26日)短い面会に行ったとき、別れぎわに、母の方から拳のぐーを出してくれたことを思い出す。
この間に何度か、わたしが拳をぶつけあうのをやったから、覚えてくれたのだ。
2月に面会制限になった時はここまで積み上げてきたものが、あっけなくゼロになったと思っていたけど、そうではないのかもしれない、と思うようになった。なくなったのではない。積み上げてきたものはあって。だからいまがあるのかもしれない。そう思いたいのだ。
それからいまも。マイナスばかりじゃない。いまも未来へなにかを積み上げているはずなのだ。
話題を変えます。
写真の、とてもきれいな表紙のこの本は……
「アルジェリア、シャラ通りの小さな書店」カウテル・アディミ 訳/平田紀之 (作品社)
もうだいぶ前に読んで、ここで紹介したいと思っていたのに、それはもういろいろなことがあって……あり続けるのでね……でもたまには本の話でも、と。
本屋さんの話、というだけでもう読みたくなる、という方々はぜひ!
史実に基づいた小説。カミュの小説を出版し、売った若き本屋の物語と、時を経て潰れてしまったその店を解体しに来る若者の物語が交錯する。(この若者が『本嫌い』なのが面白い)
本屋の物語は『日記』の形で、読むわたしに直接語りかけてくる。戦争の影も、人々が引き裂かれていくさまも、「知らない時代の知らない国の話」ではなく「いまここにある」物語に思えてくる。
良い映画を観ているようでもあった。(映画化されたらいいのにな)
また書きます。時々ひっそり、覗きに来てくださるとうれしいです。
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