午後から雨になるでしょう

『アンダンテ』三つの短編について

 

こないだ、久しぶりに海を見てきました。いろいろあったので夫と二人で遠足、なんもしないでぼーっと海を見て来ようと。行って来ました。ところがね。すごい強風の日でね。なんだろう、そう簡単には癒やされないようになっているのかな? まだまだなの? 向かい風、強い強い強すぎるから。

海辺は大げさじゃなく立っているのもやっとでした。砂嵐だし。目を開けているのもやっとよ。でもそのおかげで誰もいなくて、海も空も広くて、わあわあ大声で叫んだり笑ったりした。

そんなに大声出したのなんて五万年ぶりだった。めちゃくちゃ元気だったねわたしその数分間。

砂だらけになったけど、海の匂いをたっぷりかいで、美味しいなめろう丼を食べた。

 

さて続き!(なにが続きだかは前回の記事を読んでね)

これまでは終演後に作品についてあまり書いたことないのですが(公演前もネタバレを避けてるから内容についてってほとんど書いてない)前回の『アンダンテ』は1日だけの公演で、キャパも小さかったから観た(朗読だから聴いた)方はほんとうにレア、なのでたまには書いておくのもいいかなぁと思ったのでした。

それで当日チラシと少々かぶりますが、書いてみます。

上演した短編3作品のうち、2つは再演でした。(台本は少し改稿しています)

1本目は『スリッパ! スリッパ!』というタイトル。

初演は、ゴゴアメの初めての朗読公演(2013)で、上演順も1番目にやった作品で。これがお客様にどう受け止めて頂けるか、まったくわからずに緊張しました。客席でくすくす笑いが起きたとき、どんなにほっとしたことか。

終演後、この話が好きだったと言ってくださる方々がたくさんいて、とてもしあわせな作品です。

とある夫婦の日常からちょっとはみ出した、不思議なお話、でした。

今回再演するにあたって、なんとなく、この夫婦のその後、いまどうしてるかな……と考えたのが新作『サンデー、サンデー』でした。

ものすごく短い作品ですが、これを書くのにはたいへん悩みました。

朗読では、わたしの思いだけでなく演者3人、明日香、まり、真美子、それぞれの思いものせてもらい、2022年の11月のあの日あの場所にしか存在しない作品、それでいてどこか「普遍的」なものになったかな、と。

朗読を聞いて、この作品を特に好きになってくださった方々に、ありがとうを言いたい! ありがとう!

なぜだか泣けた、という方々もいて、すごく悩んだけど、かいはあったのかな、と思えました。ありがとう!

 

そしてもう1本は『クライマガコと夏の霜』でした。

ゴゴアメの朗読公演はこのクライマガコなる人物のシリーズ作品をやってきております。これはマガコシリーズのなかでもちょっと特別な作品かなと。ヒキコモリで皮肉屋のマガコさん、いつになくご機嫌だし。

書いたときは、そこそこ歳をとった女性二人の『おばちゃんトーク』を書きたいというのがはじまりでした。重たい話もゲラゲラ笑いながらする自分たちのような、です。

『マガコ』役の明日香と語り手『ホカリ』役のまりが、初演時(2014)から歳を重ねて、また違う感慨を持って読んでくれましたが、それを聞くわたしの方も更に歳をとって、新たなことを思うのだな、というのが面白かった。

つまり、いまなら『おばあちゃんトーク』書けるなってことですよ。読みたいですか?(キレ!)(なんでキレるの勝手に)

 

そうえいば、「わたしにとっては3作品とも小さな冒険譚でした」と言ってくれた方がいて、そのように思ったことはなかったけどそうかも知れないと発見。うれしい感想でした。

マガコについてはまたゆっくり書きたいなと思ってます。

つまりまた。つづく!

 


吉永亜矢(2023年02月11日) カテゴリー:
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