先日、幽霊と呑んだよ。
いや霊感なんかない。こんなことってあるんだなぁと驚いたよ。
おめでたいこと続きで結婚式に行って来たのだ。
とってもいいお式でした。会場もお料理も花嫁さんもドレスもなにもかもがすてきだった。
新郎くんが、チャペルに入場したとたん、ぷぷっとみんなに笑われていたけど。
「出オチ......?」 別におかしな格好をしていたわけでなく、ちゃんと正装していたのですが、あれだけなにかするたび、笑われる新郎くんというのは初めて見ました。愛すべきヤツなのです。
ダメ人間卒業、おめでとう!(卒業......したのか......? と不安がよぎったが気のせいだ!)
そんな新郎くんが、大変お世話になった方が亡くなっておられるのだが、披露宴の席次表にお名前があり(あれっ!)、名札があり、席が用意されていた(おおっ!)。
わたしの隣の席に。
うんなるほど。まず新郎くんへ。きみがそんなに律儀なヤツだとは知らなかった。
次に新郎くんへ。こういうことはさ、前フリしてくれよ、なんにも聞いてないよ、これどーしたらいいのさあたし? とみつめてみるが......あー新郎席で一気飲みしてる......と。
わかりました。承りましたよとにかく。
この場ではアレなんで、お祝いを優先させて頂きまして、で、それだけでもアレなんで、披露宴が終わった後に名札を頂いて帰り、某所でバーに寄り名札をテーブルに再び設置して、やっとその人と乾杯しました。
その人には、わたしはお世話になっていないというか、お世話になり損ねた。
なり損ねたことが悔しく、最近になってわたしは何度も、その人がいたらいま、一緒に呑みたい、いま話したいことがいっぱいあるのになー、と思ってた。
新郎くんはそのことは知らない。最近は新郎くんは大忙しだし、わたしもこの通り毛玉(春になっても)だったから、ずっと会ってなかったのだ。なのになんでか?
わたしの願いは叶い、いまこうして、その人と一緒に呑めている。
......あのねー会いたかったんですよ、ホント、死んでる場合じゃないすよ。
と大半絡み倒したからいい迷惑だったと思う。でもそんなふうに一度つきあってもらいたかったのだ、どうぞお許し下さい。
フシギな夜だった。