この連休中はベタベタに仕事。
きのう二日ぶりに買い物に外に出たら気持ちのいい空気。
おでんの季節になりました。土鍋でおでん。おかわりいっぱいします。
ハードボイルドやミステリファンには、なにを今更、と言われるでしょうが、ドナルド・E・ウェストレイク「鉤(かぎ)」(木村二郎訳・文春文庫)を読んだら、おもしろかったー!
わたしは何故か小説家についての小説が好きなのだ。(あと、ゴーストライターっていう存在にも昔からなぜか惹かれる)
小説の中の小説家はたいてい書けなくなり、小説にとりこまれたり、剽窃を企んだりするが、この作品も、書けなくなった流行作家が、出版してもらえなくなった作家の小説を書き変えて自分の名前で出版してやろう、と持ち出すことから始まる。盗むのではなく、ちゃんと契約して報酬をたっぷりくれる。そのかわり、邪魔な女を殺してくれ、というわけだ。
出版業界のディティールや小説家同士の会話はリアルで(どこをどう書き変えるかとかまで)、何度も声をあげて笑ってしまった。
笑ってると怖くなって震える。やがて切なき、なところもある。
それから、小説家たちが自分勝手で頭オカシイのはそんなものでしょうけど(いや、フィクション上はということ)、女性の登場人物がみな、さりげなく酷いのにも笑ってしまった。悪人ではないがとっても悪い。男目線の女の怖さ。怖いねえ。
殺人事件は一つしか起きないし、謎解きはないから、ミステリとしてはどうかと思うけど、わたしはめちゃくちゃおもしろかったのだ。