「バンヴァードの阿房宮 世界を変えなかった十三人」(ポール・コリンズ 山田和子訳 白水社)読了。おもしろかった!
帯の「その時、歴史は動かなかった!」っておかしい。そのとおりの本、歴史に残るはずの大発見や創作がまったく残らなかった、忘れられた人々について書かれたポートレイト集。
そこそこ分厚い本だし、13人もの知らない人のことを読むというのは、なかなかたいへんそうだなと思ったけど、これが読めば読むほどに面白くなっていく本だった。
笑ったり、呆れたり、悲愴さに胸塞がれたり。
寝転がってこんなに面白くっていいのかしら、と思った。(寝転がって読むには本がかなり重たいんですが)
びっくりしたのは、埋もれた人々だからといって、平和かというとちっともそうではないこと。みんなが命がけ。天才ばっかり。そして天才なおかげで常に忙しく、波乱万丈で、激しく生きて死ぬ。(天才じゃなくてよかったー、ですよ)
シェイクスピアの贋作なんて、どうしてそんなことできたの?! というのとか、X線を超える放射線「N線」の発見ってなんだいそりゃ?! とか、わたしが一番、ゾワゾワと惹かれたのが、完全に西洋人の見た目で西洋人の名前(でも偽名)なのに台湾人だとか言って、自分で言語を作って喋って、まあ詐欺師であるが、人生をすべて嘘で生き抜いた人のこと。その力を他のことになぜ使えなかった! というツッコミを許さないほど、人生が深遠になっていくし。どこへ行くのー!
ところでシェイクスピアに絡む話は三つあり、贋作の話と、むちゃくちゃなロミオ役をやる役者が出てくるが、読むと昔の演劇のダイナミックさに驚かされる。
なんでそんなんで公演打っちゃうの? とか。
ヤジを飛ばすために大勢、客が詰めかけてたり。
そんな劇場でそんな芝居、観てみたいがいまとなっては叶わない夢だもんなあ。
おとなしくなったものだ。
もうひとつはシェイクスピアの墓を暴こうとする人の話。
寒くなってきましたね。
マナちゃんから送って頂いたかぼちゃ、どうやって食べようかなと迷いつつ、シチューにしました。鮭とかぼちゃのシチューってはじめてで、どうなるかなと思ったけど、豆乳みそ味が合う!
おいしかったー。滋味だった。
うちではマナちゃんのガラス器を毎日使っているけど、秋の気配がしてから、マナちゃん作のガラスのどんぐりの実を、テーブルにころんと転がしています。