写真は小浜島ホテルのすばらしすぎるビーチ。
島ではメールも携帯も見てなかった(テレビも見る気がしなかった)。
わたしに急ぎの用事がある方はいないしね。
家に帰ってすぐではなく、翌朝にメールを開いたら、訃報が届いていた。
ひどく凹んだ東京の朝になった。
ご葬儀は旅行中に終わっていた。連絡をくれたのはホソノくんで、お詫びのメールをしてから、香典を送る手配をのろのろとした。
ホソノくんから9月のゴゴアメ公演中に、彼が入院中であることは聞いていた。
「お見舞いにいってきます」と聞いてわたしはただ「うん」と頷くしかできなかった。
その彼とは、昔(いまから二十年近く前になる)、ホソノくんとも一緒に仕事をした方であるが、仕事だけでなく、たくさんお酒ものんだし、芝居の(その頃は「シエラザード」)お手伝いまでしてもらったこともある(わたしが誰彼かまわず巻き込むからだけど)。
長い間会っていなかったのが、何年か前にホソノくんがセッティングしてくれて、十何年ぶりかに一緒にのんだ。
またのもう、と言い合ったけど、彼は多忙だろうと誘ったりはしなかった。でも、それが最後になるとは思いもしなかったよ。
昔から優秀な彼を捕まえて、年下ってこともあってわたしはぽんぽんツッコミを入れてた。
会社もおこして、結婚もした彼にもうさすがに失礼ばかり言えないな、と思ったけど、十何年ぶりに居酒屋で隣に座ったら、すぐにつっこみたくなって、「なんか変わらなくてきもちわる」とまず言うと、「いきなりきもちわるいって!」とすぐに返すところが昔のまんまでおかしくて、たのしい夜だった。彼も後から「タイムスリップしたみたいでした」とメールをくれた。
わたしが知ってる頃の彼は人一倍、愛情が濃いっていうかな、好きなもの、好きなひとには徹底的に情熱を注ぐ、そういうパワーの底知れないひとだった。
わたしの知らない間に、その濃い愛情は多くの方々から更に濃くなって、ちゃんと彼に、帰って来ていたのじゃないかと思う。
会ったときに、そう思ったよ。言わなかったけど。