ひとの夢の話ほどつまらないものはないと言うけど、それよりつまらない話でごめん。自分はすごくおもしろい話。
夢の中で、懐かしい絵本をみつけた。
夜中に目が覚めたら、はっきり見たはずの表紙の絵はもうおぼろげだったが、著者名とタイトルは覚えていた。
また眠って朝には、すっかりそんな夢を見たことすら忘れてしまいそうで、ばかみたいだが、寝ぼけながらメモをした。
あまんきみこ そらいろのじどうしゃ ・・・?
あら。タイトルのほうはメモをしてる間にもう、よくわからなくなってしまった。でもこの作者のほうは大丈夫、現実にいる作家だ、と思って、寝た。
大人になってから、時々、子供の頃に好きだった本をもう一度買っている。
でも、あまんきみこのことは何故か、忘れていた。
ほかにもあるのかもなあ、記憶の裏側に入っちゃってる本が。
しかし、なんで急に思い出したんだろう。しかも夢の中で。
夢でなにか思い出したことなんて、これまでの人生、一度もない。
(わたしの夢ってたいがい、ホラーだし。うう)
最近、児童文学を少し読んだから、どっか記憶が刺激されたんだろうけど、それにしても不思議。
あんまり珍しかったので、翌朝、検索してみた。「あまんきみこ そらいろ」までで引っかけてみたら、すぐに出た。
「車のいろは空のいろ」(ポプラ社)だ、うわそうだこの絵だー! タクシーだー!
すごいんだよなこれ、童話なのにおじさんが主人公だもの。
アマゾンで早速注文したら、その晩には届いた。
すごいすごい、夢で見た本がもうここに!!
こうしてそらいろのタクシーの運転手、松井さんに何十年ぶりの再会を果たす。