どーせ歯ブラシも持てないし、靴もはけないしね、と思い出す。
わたしでかくて、それがいやで、ヒールなんか履かなかった。
(あ、けどヒールじゃなくても靴はほんとに合うものがなかなかない。デザインが可愛い靴も、サイズが大きいとまったく可愛くないし)
「履かない」んじゃなくて、「履けない」んだと気づいたときにはもう遅い。
たまにはですね、パンプスを履かなければならない必要性というものがあり。
なるべくヒールが低くかつ、歩きやすく設計されたものを探し求めて靴屋をさ迷うのだった。
いまは若いひとはみんな身長高いし、サイズと共に足に負担をかけないようなパンプスもさまざま開発されている。
すばらしいことだ。
それなのに。靴屋で試しに履いて、一歩歩くとよろよろする。
そのとき、店員さんは呆れ顔というよりハッキリ軽蔑の色を隠さなかった。
「・・・お客様・・・こちらが履けないとなると・・・」
あーいえいえ、と微笑む。
「何星からいらっしゃいましたか?」
あのね、ナニ星人だか自分でもわからないんですが、あたしの星には靴なんかなかったの!!
みんなハダシよ。歯もみがかないのよ。えーそーよ。自転車もないわよ。あと泳がないわよ誰も。
いいのなんでもないわよっ独り言よっ。