花水木がとてもきれいな季節になりましたね。
これは家の近くの。
マナちゃん展に出かけた日、その前に、お墓参りに行ってきた。
高校の同窓生の一周忌・納骨式にうかがうはずで、ずいぶん前からその日のことを思うと胸いっぱいだったのに、当日に風邪をひいて、急に欠席してしまったのだった。
申し訳ないやら情けないやらだったけど、やっと行ってこれた。
陽のあたる静かな場所で、彼女とゆっくり、お喋りしてきた。
また会おうね。
たくさん電車に乗った一日だった。
知らない街を抜けていく長い間、膝に花束をのせ不恰好に本を開いて、笹井宏之の短歌集「えーえんとくちから」(パルコ出版)を読んでいた。読むというより一列の文字たちに見入っていた。見入りながら、その一列ごとにどこかへ飛んでいっていた。
若い歌人の笹井宏之も、こちらにはもういない。
あちらには、すてきなひとたちばかりだ。
表題作の、えーえんとくちから、に続く短い言葉に心臓を掴まれて、この本を買ったのだった。
切ないうたは切な過ぎるほど切なく、でも、明るいうたもたくさんあり、いたずらにウインクしているみたいなうたたちにも、それはそれで、心臓を掴まれる。
あんまりすごくて、続けて読めずに、いちいち本を閉じてため息やらわけのわからない声を出してしまう。そうやって開いたり閉じたりしながら、何度もきっと、わたしはこの先、繰り返して読むだろうな。
このブログには本からの「抜粋・引用」をしないことにしている。
(そういう、わたしにはつまらぬ拘りがけっこういろいろある)
短歌はみじかいからひとつここにしっかり載せることもできるし、ちょっと誘惑にかられたけど、やはりやめておくことにした。
これは紹介の文じゃないけど、もしも読んでみたくなった、という方がいたら、本を買ってね。