つづき。
なるべく前知識なく観たい気がして(そういうときと、そうでないときと、なんとなくある、なんとなくなだけ)そうして観たのだが、おもしろい戯曲だった。日本で出版されてるものと思ってたら、演出の遊さんに後から聞いたら、ないらしい。少し残念。
で、わたしはいつものことながら、評論は書けないどころか、どういう作品だかをうまく説明することもきないので、上手に紹介はできないのだが、ちょっとだけ書く。
二人芝居で約1時間50分くらいかな、台詞も多いし翻訳劇だし、それに、遊さんの演出により二人ともほぼ舞台に出ずっぱりでかなり動きもするので、これは、たいへん! 役者だけでなく、舞台上にさまざまな舞台裏とさまざまな舞台表も出てくるという芝居なのだが、スタッフもこれはたいへん!(出演するスタッフたちもいるという演出で、動くスタッフと移り変わっていく舞台を観るのがとてもたのしい)
無茶といえば無茶なのだけど、わたしはなにかしら無茶したとこがある芝居が好きで、なんら無茶してないとちょっと不満になるくらい、なのでウエルカム無茶!! です。
けど遊さんの場合、演出が常に正確というか、無茶も無茶でなく必ず機能してるところがすごい、とまたあらためて唸った。
なにしろ全26場あるそうで(!)、「ほんと、嫌がらせですよ」と遊さんは涼しく笑うのだが、アンタ格好良すぎだろ! とも言いたくなる。
それをカットしたり展開変えて繋いだりもしなかった演出家で。
ひとつの冴えたアイディアで見事に作品を貫いた。
終演後は遊さんの友達(九州から観に来てくれたのだそう!)も一緒に、みんなで飲んだ。なんか、すみません、ただ観に来て打ち上げか? という感じの宴会。
年齢も住んでるところも、なにもかもばらばらな妙なメンツで、すっかりたのしくなってしまい、二杯目くらいでもう、わたしは酔っぱらいになってた。
店を出て別れ際に遊さんが、ああ、あのホテルに泊まっているなら、お風呂(温泉がある)と、朝はオムレツ食べてください。オムレツですよ! と酔っぱらいのわたしに言ってた声が残っていて。
遊さんもちょっとは酔ってたかなあ。まだ二度くらいしか一緒に飲んだことがないが、遊さんは飲んでも(けっこう飲む)少しもぐだっとならないんだけど。
オムレツ! 明るい声を思い出し、ふふふ・・・と微笑みながら、オムレツはプレーンを頼んだ。