クリスマスっぽく、ブルーベリージャムと赤ワインでソースつくってみたのだった。
近所のおいしいパン屋さんがきのう、25日で閉店したと知る。突然のことでしょーっく!
ちょっと変わったパン屋さんだった。
上品なおばさまたちだけでやっていたお店で、上品な、っていうとなにか違う感じがするのだが、あのひとたちの雰囲気をぴたりと言い表すうまい言葉がないのだ。
みなさん、なんとなく小柄で(イメージだけかも知れないが)、常に完璧に清潔そうな白衣や帽子をされていて、「わたくしたち、つくることはできますが、売ることはむずかしいですね」と小さな声で言いあってそう(それはもう完全に妄想ではあるが)で、我々夫婦はそういうのが全部おもしろくって、「儲けになってなさそうだけど、だいじょうぶかな、つぶれないでほしいね!」とよく言ってた。おいしいパンを、いつまでも食べたいからね。
パンは国産小麦粉ほかいい素材を使っていたり、バター控えめの軽いクロワッサンがあったり、手作りらしく素朴なんだけど、素朴だけでなく味は洗練されてた。
で、わたしは居酒屋だろうとレストランだろうと、すぐに「おいしい!」「おいしいですねこれ!」とお店のひとにめちゃめちゃ話しかける癖に、そのパン屋さんでは、「おいしいですね」と言えなかった。6年も(そんなに!)あったというのに。
お店の方々はどなたも、こちらが恐縮するほど、いつも丁寧なのだが口数は少なくて。そんなだったから、なんかハズカシクて。
ああ、ばかだった。「おいしいです! やめないで!」と言えばよかった、いや、「いいえ! やめたいときはやめてもいいです! おいしかったです! ありがとう!」って言いたかった。
よく言われることだが、最近わたし、「人生なにが起きるかわかんないなー」をまた実感させられていて。せめて、ひとへの想いはなるべくすぐに、伝えていこう、特にそれが悪いことじゃなく、好意や感謝は、どんどん、日々、伝えておいたほうがいい。(人間、文句はすぐ言うのに、感謝は遅れがちよね)
と、なんとなく、ずっと心の片隅で思っていたのだ。
ほんと、伝えたほうがいいですよ! みなさん!
若いひとたちにはきっと実感がないと思う、「いつかね」と思っていることが多いと思う。でもその「いつか」は来ないかもしれないのですよ! あなたの意思と関係なく、失われてしまうかもしれないのですよ! いま! いま!!
って、パン屋さんが現実例では説得力ないのか? 人生の師にはなかなかなれんな。