数年前から、ちょっとずつ、菓子を食べるようになった。
酒呑みなので、大人になってから甘いものは一切、と言っていいほど食べなかったのに。
実家に寄ると母が「詰まらないわねえ、女の子が来たのに甘いものを一緒に食べられないんじゃ」と言っていたもの。
さーいまこそ、一緒に食べようよママっ! である。
しかし、所詮、甘いものビギナー。ケーキも半分でいっぱいかなーという感じだし、なんといっても知らないことだらけ。
たまに女性に質問をしてみると、答えてはくれる。答えてはくれるけど半分うわのそらである。こういのって、共感とか情報交換がたのしいんであって、ちんぷんかんぷんで、ケーキ半分でいい、なんて言うひとと話しても、たのしくないでしょう。なんか、無理に会話に入って来る上司のおっさん、みたいなもんだわたしは。(おれだ...といま思ったあなた、一緒にケーキ半分ずついかがですか。ぞっとしましたか)
更にわたしはなんだかんだ好みが煩く、マカロンみたいに色がうわーっというのは、うわーっ、だし、キャラメルっぽい歯にくっつく感じのお菓子は歯にくっつく感じがする、ラスクっていうものもなんかどうしても手が伸びないのよね。
柏餅はなぜかこし餡が好きで、けど粒餡のどら焼きは好きで、あとなぜか「たねや」でどら焼きが好きだし(いや、ほかのあの、ちっさいのも好きだが)、まったくもって、ワカッテナイひと、である。しょぼん。
最近じゃ、ドトールのシナモンロールが好きになったし。お話になりませんね。
でも、デパチカの行列を見かけると、「なにが?」「こりはどのように美味しいんですか?」とむやみに人々に聞きたくなる。で、ショーケースまで走って見に行くも、うーん、と唸って、背を向ける。
ああ、なんかいままで知らなかったわたしのおいちい甘いものないかなーと街を彷徨う。
この歳で甘いものにはまるとは......別の病気が心配なきょうこの頃。