これ、かわいくないすかー?! しかもおいしいの!!
この頃、時間が流れてるということただそれだけで、傷ついたような気持ちになる。
立ちすくんでしまうような。
わたしもタキも、時の流れを扱う映画のワンシーンや本や、どんどん弱くなり、ボロボロ泣く。
参ったことである。しかし、ふだんはますます、面の顔厚く、しぶとくしてるから、
それで、バランスってことなのだろうか。歳をとるということは。
先月はいろいろとおもしろい本を読めたのだけど、昨年末の「おすすめ本」にて、Andyさんにおすすめいただいたなかの1冊、ジュンパ・ラヒリ「その名にちなんで」(小川高義訳・新潮文庫)もよかった。
わたしは久しぶりにこういう「本格小説」(といっていいかな。わたし小説のジャンルがよくわからない)を読んだので、そのたのしさもあった。
Andy氏もメールに書いていたけど、文体はほんとうに淡々としていて、それが心地よい。
なのだが、読みはじめてすぐに、ああこれはこういう小説だな、やばいな。と思った。
ひとが生きていればある、ありきたりなドラマ、結婚、妊娠、突然の身内の死、若いころの恋、親や生まれへの反発心、それらを特別なものとしてでなく淡々と、けれど、経験するそのひとにとっては、永遠に残るものとして書く。
そのとき目にしたもの、聞いた音、匂いをありありと書く、ありきたりではない凄さ。
それでいてすべてが過ぎ去っていくことを書く。
あんまり泣きそうなので、かえって怒った顔をして読んだ。