午後から雨になるでしょう

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クルミッ子

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これ、かわいくないすかー?! しかもおいしいの!!

 


この頃、時間が流れてるということただそれだけで、傷ついたような気持ちになる。

立ちすくんでしまうような。

 

わたしもタキも、時の流れを扱う映画のワンシーンや本や、どんどん弱くなり、ボロボロ泣く。

参ったことである。しかし、ふだんはますます、面の顔厚く、しぶとくしてるから、

それで、バランスってことなのだろうか。歳をとるということは。

 

先月はいろいろとおもしろい本を読めたのだけど、昨年末の「おすすめ本」にて、Andyさんにおすすめいただいたなかの1冊、ジュンパ・ラヒリ「その名にちなんで」(小川高義訳・新潮文庫)もよかった。

わたしは久しぶりにこういう「本格小説」(といっていいかな。わたし小説のジャンルがよくわからない)を読んだので、そのたのしさもあった。

Andy氏もメールに書いていたけど、文体はほんとうに淡々としていて、それが心地よい。

なのだが、読みはじめてすぐに、ああこれはこういう小説だな、やばいな。と思った。

ひとが生きていればある、ありきたりなドラマ、結婚、妊娠、突然の身内の死、若いころの恋、親や生まれへの反発心、それらを特別なものとしてでなく淡々と、けれど、経験するそのひとにとっては、永遠に残るものとして書く。

そのとき目にしたもの、聞いた音、匂いをありありと書く、ありきたりではない凄さ。

それでいてすべてが過ぎ去っていくことを書く。

あんまり泣きそうなので、かえって怒った顔をして読んだ。

 


吉永亜矢 (2010年2月 4日 11:47)  カテゴリ:
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