上野で書を観たあと、一杯(一杯ではないですが)ひっかけてきたせいか。
谷中で一行、ちょっと迷子になる。
あのあたりは不思議な懐かしい感じの町並みで、みとれてしまった。
千代紙屋さんや煎餅屋さんや細く狭い着物屋さんの明かり。夕方の、青と赤の空。
その空をよぎる無数の電線。蛍光灯。坂と小さな石の階段。
どんどん迷子になりたくなる感じ。
まいけるさんの猫たちに会いに行くのにはふさわしい、あのギャラリーに行くまでの道のりも世界のひとつみたいだった。
帰りにわたしとタキはタキのお父さんに送ろう、と千代紙を買った。(タキのお父さんは折り紙の先生なのだ)
arayaはお煎餅と、お煎餅屋さんのフィンガークッキーを買っていたので、そのそばに張りついて雰囲気を味わう。お店は明治からやってるのだって。
それからarayaさんが、「(書道教室の)お菓子当番なのです」と言うので、「ああお菓子当番ね、たいへんでしょう」「これがたいへんなのです」と会話しながらも、わたしの頭のなかで密かに「お菓子当番」について空想いっぱいに。
お菓子当番! お菓子当番!