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わたしのおすすめ本2009 その1

 

わたしの悲しい今年の読書量では、ベストなど選べるはずもないのだけれど、今年出た本で一冊だけおすすめするのは簡単といえば簡単だ。それは、

 「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」

 カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳(早川書房刊)

 

カズオ・イシグロ初の短編集でもあるんですね。

前作「わたしを離さないで」に震えて倒れましたが、あれから四年だそうです。

前作とはまったく異なる作品ですが、大人のための美しい短編集。装丁も美しい。

 

さあ、ゴゴアメ・クリスマス特別企画「わたしのおすすめ本2009」係より!

既にお送りいただいた、たくさんたくさんの(ね!)メールから、ご紹介していこうと思います!

あ、メールはクリスマスまで、まだまだみなさん待ってますよう。

いいんですかみのりん、モリミー布教しなくても? こちらまで。gogo.ame@gmail.com

 

はいトップバッターは、ハンドルネーム「湯多」さんから。

おすすめ本は、井上靖の「闘牛」

うーむ井上靖。みなさん読んでますか? わたしは読んでません!

湯多さんによると、今年読んだかどうかが「さだかではありません」とのこと。

イキナリ今年読んだかどうだかもわからないんですか。そうですかー。けど、

「当時ボクが思い悩んでいたこと」が描かれていて、「心に沁み入りました」

うん、そういうことってありますよねえ。たまたま手にした本が、ってことが・・・。

しかし、今年かも知れないことが、もう「当時」なんですね。

あと、「思い悩んでいた」のに今年かどうかもわからないんですね。

さすが湯多さんです。常にいまを生きているのですね、きっと。

わたしも「闘牛」を読んで、湯多さんの悩みに思いを馳せてみたいと思います。

いまを生きる派のみなさんも、ぜひ!

 

なんか最初からハードル高くないですか!?

次はもっとすごいですよ。

この一年でも200冊は読んでいるという読書家、「Andy」さんからメールいただきました。

すごいですねえ、200冊とは。ほんとうに尊敬。

でもほとんど図書館から借りているそうで、新刊はあまり読んでいないそう。図書館ヘビーユーザーですねい!

で、「1冊に絞るのは厳しすぎ」ってことで、部門に分けて何冊かあげてもらいました。

これが全部おもしろそうでしたが、うれしいことに2冊、わたしの大好きな本が入っていました。好きな本が一緒なひとがいると、なぜかうれしいですよね。その2冊とは、

Andyさんのつけた部門の「国産純文学部門」で、「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男(文藝春秋刊)と、「エッセー部門」で、 「ねにもつタイプ」岸本佐知子(筑摩書房刊)でした。

これどっちもわたし特別、好きな本です。

翻訳家・岸本佐知子(きのう書いた「エドウィン・マルハウス」の翻訳者でもある)のエッセイはめちゃくちゃおもしろいです。未読の方は年末・年始のお休みにぜひ。あなたもキシモト派に!

「ベルカ」はもう、完全ノックアウト作品でしたね。読書体験が「ベルカ」を読んだ後から変わってしまうような。ベルカ紀元前・ベルカ紀元後です。

そのほかの本はわたし、すべて未読。続けて参りますよー。


「国産エンタメ部門」は池上永一「テンペスト」

わたしはエンタメがやや苦手でして。(致命的に筋が追えない・・・自分でも不可解)

池上永一も読んでないね。けどAndyさんは紹介文もうまくてメールを読んでると、すごく読みたくなってくる! なのにみなさんにはわたしの駄文を読ませると。ひひ!

次。「翻訳現代小説部門」、ジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」

ピューリッツァー賞受賞「停電の夜に」(もわたしは未読)のインド系の女性作家ですね。

Andyさんの解説によると、「インドからの1世および2世の移民」の話、「インドから離れ、しかし名状しがたい部分でインドとの結びつきは残る」。

「淡々としているが読んでいると自然に涙がにじんでくるような逸品」だそうです。

うーん読みたい!!

まだありますが、続きは次回で。おたのしみに!


吉永亜矢 (2009年12月22日 12:20)  カテゴリ:
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