「オドル」からもう一枚。
あの曲はピアソラの何ですか? と高木くんや、受付のお手伝いをしてくれたトミザワさんに聞かれたのに、答えていなかった。ここに書いておく。
「タンゴ:ゼロ・アワー」というCDから(これ全曲いいですよ)、「タンゲディア3 」という曲でした。
ライナーノーツによると「タンゲディア」は、スペイン語でタンゴ+悲劇(トラヘディア)+喜劇(コメディア)の造語とある。
タンゴ+悲喜劇。素敵だ。
照明志村さんとは、この「オドル」で色を使うためにほかは色を押さえる、とした。
志村さんの明かりはとても繊細で、写真などではその美しさが充分には伝わらない。
こればかりは生で観てもらうしかなく、後には残らず、少し切ない。
長く志村さんに組んでいただくうち、なにかどんどん、我々独自なやり方が出来てきた。
どんなふうにわたしが照明にオーダーしているのかは、企業秘密である。
だがどうなってるかなどわからなくても、それは、シーンの重要な空気を占めている。
劇場であなたが光に、または闇に気づいたときは、もうずいぶん前からひっそり、ひっそり、
我々が忍び寄っていたのだ。