通し稽古の日々が始まったかと思えば、もう終わってしまった。
短編オムニバス、という名目ではありますが、全ては一つの作品である。
初めて通して観ていた後、感動して涙しそうになった。
その時はなんとかこらえたけど、稽古後しばらくたってからも、ヒラヤマさんの顔を見るたび、あるシーンがリフレインして苦労した。
「なぜ今泣いているのだ、君は」と言われるタイミングだから、きっと理解してもらうことが難しい。
だから、頑張ってヒラヤマさんの前では泣かなかった。
誰かに決められた人生ではなく。
誰かの考える素敵な人生ではなく。
ただ明日へ向かって。
さて、こんな拙いぼくですが、本番では極秘裏に出演します。
通し稽古後、ぼく自身はそんなにダメを出されるわけではないので、正直不安である。
あそこん時のあそこの角度とかあそこの動きのあわせ具合とかどうなんだろう、と思っていたりする。
どうせやるならブロードウェイミュージカルばりに完璧な動きを、と思っているのだが、上演時間の都合もあって、そこまで本格的にできないんだなぁ、これが、残念。
あとはもう個人的にアライ先生とミヨコ先生に教わって己を高めるしか術がない。
あそこん時のあそこの動きにキレが加わるよう、本番中もストレッチと筋トレはかかさないぜ(注・演出助手の役割ではありません)。
余談だが、写真のイトウヒロキくんは、となりの看板女優に『頭がおばちゃん』と呼ばれていた。