これが嫌味な刑事さん♪
キンキン(平山寛人)はめがねが似合う。
四つのビルのオブジェは、1本目の「悪意の研究」でまっすぐ並んでおり、
2本目の「Fool On The Roof」では斜めに傾ぐ。
3本目の「オドル」では真ん中の二つが宙に浮き、
ラスト「彼らは雨を連れてやってくる」で下手に三つ斜めに並び、上手一つとなって空間が開く。
大島さんには何度も美術プランを練り直してもらい、最後にこの「四つのビル」案を出してくれた。
またおそろしく安い予算で、制作に励んでいただき美しく仕上げていただいた。
しかし舞台美術に関してはほんとうに、物理的限界が大きい。
大島さんの熱意に支えられているものの、わたしに、もっともっと知恵があればと、つくづく思う。
伊藤浩樹のお母さんが観にいらしてくれたとき、
「四つのビルに四つの物語の余韻が残った」とおっしゃってくれたとのこと。
そんなふうに感じてくれた方がいたことが、とてもうれしい。
写真は「悪意の研究」(作/高木登)から。(写真をクリックしたら大きなサイズで見られます)
きのうと同じく美術大島さんがゲネのときに撮影したのを送っていただいたもの。
カメラマンにスチールを撮ってもらう余裕がなかったのだ。でも、これも、良い写真でしょ。
もっと写真いっぱい見たいよう、というワガママは言わないでくれたまえ。
(*以下本日も敬称略にて、失礼いたします)
高木登とは彼の舞台を拝見してからのつきあいで、演出が難しい本だろうなあと思いながら、
わたしが演出したらどうなるんだろう、と無謀・無思慮にも思い、それをそのまま彼に話してから、
結局二年くらい経ってからだろうか、今回参加のお願いをした。
高木登自身が作・演出をする「鵺的」の旗揚げの年にぶつけてしまったのは、わざとではない、
でもちょっとわざと。盛り上がるかなあと思って。ははは。
今年8月、旗揚げ公演にあれだけ入魂の作品を書いて、演出もしてから、こちらの短編を書かなければならなかった彼はほんとうにたいへんだったと思う。
いま言うけど、わたしなら、絶対にできない技だ。
そんなわけで彼がへろへろ(見た目)で書きあげたのが本作「悪意の研究」である。
高木登作品とは常に高木登印、のようでいて、この本は短編ということもあって、彼のいつもの作品とは少し趣が、違う。
しかしどんなふうに違うかは、わたしにはうまく説明できない。
(いつか彼が自分でうまいこと解説を書いてくれるのではないかしら)
ただ、高木登作品をもしわたしが演出するなら、と漠然と思っていたのは、彼のみっしり詰まった本のなかの「余白」や「余り」の部分を出してみたい、ということだったのだけれど、この本にはもともと余白や余りの部分が強かったと、わたしは思っている。
それで、せっかく高木演出とは違った吉永演出をお見せする機会なのだろうけど、特にあまり、変わった方法はとらないことにした。シンプルな料理方法で、ということだ。本を繰り返し読むうちに「これ、余計な味付けはしないほうがいいな」と思ったのだ。(隠し味は入れた。けど隠しなので隠しておこうかな)
ただし、本が上がるのが稽古開始のギリギリであったため、かなり焦りながらの考えではあった。
それと同時に、この本は藤倉みのりに芝居の芯をとってもらおうと思った。
わたしが彼女にそれがどういうことなのか、きちんと説明する前に、彼女はしっかり応えてくれた。
だから完成した作品は、わたしにとって、みのりの力によるところが大きい。
キャスティングは四編すべて、本を書く前にだいたいは決まっていたが、特に、高木登は「あて書き」をするというので、執筆の前に決める必要があった。
藤倉みのり、明日香、高校1年生の板倉美穂、の女性陣をメインに、高木作品を演じてきた平山寛人(鵺的所属)の力を借りたいとわたしからお願いした。
後から登場する、嫌味な刑事役を格好良く演じてくれたのが彼である。
本番は回を重ねるごとに、「あの刑事には本気でむかついた」
「一言言わせて、あの刑事むかつく!」と男女問わずお客さまからの声が多くなり、
しまいには「客席から舞台に駆け上って後ろから蹴りを入れたかった」となり、そう言う方は必ず、
「でもあの話がいちばん、好きだった」「でもあの刑事を演じた役者さんがいちばん良かった」
と言ってくださり、これはとてもうれしかった。
もうひとつわたしの友のひとりから、「声がフクヤママサハルに似ていてウットリ」
という感想もあったが、うんそれは、どうだろう。
なぜ高木登作品を四短編のトップバッターにもってきたのか?
という質問も何人かに頂いたので、ここにも書いておく。
それは単純なことで、企画の段階から決めていた。
高木登の本が基本的には「会話劇」だからで、会話のなかで徐々に関係性がわかっていくというものであるから、観客がいちばん、集中して観られる冒頭がいいと思ったからだ。
あんな後とかあんな後にして「悪意の研究」の冒頭が頭に入らなかったりしたら、困る。
ああいう作品がもっと観たかった、という方は、ぜひ、「鵺的」の来年6月の公演を。
高木登ワールドにどっぷり浸ってください。
ワールドだが、高木登はきっと、今後またどんどん書くものが変わっていくのではないかと、
わたしは密かに思っている。
変わって、変わらないだろう、たのしみだ。
写真は「Fool On The Roof」(作/宮下隼一)から。
美術の大島さんがゲネのときに撮ってくださったもので、この写真を見て、
「おお? かっこい~じゃん!!」とわたしと宮下で思わず大笑いしてしまった。
(写真をクリックすると大きな画像で見られますよ)
さて上演順で書き出さないで、いきなり2番目から書くのださすがわたし。自由。
(*以下敬称略にて、失礼します)
「Fool On The Roof」は、いちばん、わけがわからない作品だったろうけど、
これがいちばん、おもしろかったというひとが多かった。
そしてこの作品がいちばんおもしろかったというひとはたぶん、
四編全体をたのしんでいただけたのではないかと思う。
作家の宮下隼一自身が「わけのわからないものを書く」と言って書いたものだが、
ほんとうのことを言えばこの本は、わけわからなくはない。
宮下隼一の作品は非常にしっかり、骨ができている。
だから演出としてはかなりムチャしてみたって、だいじょうぶ、で、役者にとっても、
安心して泳ぎ回れる本だったのではないかと、思っている。
もちろん、出演者である3人、荒井靖雄、藤岡豊、藤倉みのりはそれぞれに、役者としてこれは
たいへんな挑戦であると稽古に臨んでいた。
稽古は、後半に登場する「上からの女」役のみのりを後からの参加にして、
「屋上の男」と「下からの男」である荒井・藤岡の二人ではじめた。
まずは絵作りをしながら作品世界を説明していったが、作家宮下をそっちのけで、あくまでわたしが本の説明をしているのに、周りはけっこう、驚いたかもしれない。
それに戸惑うことなかった荒井は、そもそも難しいことをやるのが大好きで、難しいということ自体に浮かれまくっていた。
またそんなことに戸惑う暇もないほど藤岡は頭が混乱していて、どちらも可笑しかった。
宮下もわたしに任せてくれつつ、彼らに、手助けとなる言葉をたくさん投げかけてくれた。
(主に飲み屋で)
そうして一歩ずつ、こっちの岩に足を駆け、あっちの岩に手をかけて、
と、山を登っていく稽古となった。
まさに上からの女が稽古場に「現れた」ときは、二人にとって、約20分の短編のまだ約半分が、
既に90分の作品かのように肉体的にも精神的にもハードだった。
ともかく穴は掘った、あとはここにみのりが落ちてくれれば、というところだったが、
みのりも全力で落ちてくれた。いやいや、それから共に手をとり山を登ってくれた。
本の第一稿をもらった段階で、役者たちがSEを声で出す(音響で出すSEと分ける)案を出して、
相談の上、二稿以降から本に取り入れてもらった。
またゴミだらけのビルの屋上という設定を、新聞紙のみで(そこに埋もれた脚立も)、という絵が浮かんでいたのも、初稿を読んだときからだった。
これがオムニバスの二本目なので、暗転中に舞台上が新聞紙だらけになっている、ということがやりたくて、舞監フジモトには無理をお願いした。
演出というのは、アイディアを定着させるスタッフの力がなければどうにもならない。
が、ただただスタッフに頼る前に、やることがある。稽古場でのテストだ。
それで毎度、新聞紙を持ち寄り、みんなで一枚ずつくしゃくしゃにする作業(そしてゴミの持ち帰り)の繰り返しになった。なんだかこれも日々の可笑しな風景だった。
でもマジメな話、芝居作りにおいて、アイディアは大事だが、もっと大事なのはテストを重ねることだ。簡単そうで、これまでわたしがなかなか出来ていなかったことで、今回必ずそうしようと決めていた。
ま、その程度のわたしに演出とは、なんてことはなんにも言えるはずはないのだが、
これから小劇場で芝居を作る、演出をはじめてやってみる、というひとがわたしのそばにもいて、
そういうひとはわたしと同様、すごく飢えているはずだと思う。
だから、わたしでもひとつくらいは、言えることを言っておこう。
思い描くだけでなく、思いついた順にすぐに、とにかく稽古場で試せることは試すこと。
不完全なカタチでいい、不完全だと稽古場では「ええ~~?」という雰囲気になることもある、
でもそれを気にしていてはだめだ、試すことでカタチは変わっていく可能性が大きい。
カタチが変わることは、意味が変わっていくことでもある。
どんなことも、テストするまでもない、とはなるべく思わないほうがいい。
役者たちは稽古場で試すことをちゃんと知っている。
わたしたちも、身体で知ったほうがいい。これがわたしのひとつだけのアドバイス。
そう。これが、劇場入り口から見あげた空。
いつも見ていた四角い空。
どきどきしながら、うんうん考えごとしながら、時にはなんにも考えずただぼんやりと。
お久しぶりです、ヨシナガです。
カナザー先輩、ありがとう。 「下袖日記」好評連載でした。
終わった公演のことを後からいろいろ書くのは無粋ではあるけど、
観ていただく前には書けなかったことも多いので、先輩に引き続きわたしも、
「午後から雨になるでしょう」(2009.10.7~ 11 ウッディシアター中目黒にて)
4短編を振りかえってのエンシュツ雑記を数日間、書いていこうと思います。
とはいえ、いちばん笑ったことはここに書けなかったり(でもそういうことは読んでもあまりおもしろくもないかもしれない)、いちばん苦しんだこともここには書けない(そういうことは胸におさめておくのだ)。
それにわたしが書くことなんて、お客さまたちにはちっとも関係ないことかも、しれない。
それでも、きっといまこのブログを覗きにきてくれているあなたは、なにかしら、あの公演をおもしろがってくれた方だと思うので、少しはなにか、ふうん、ってことがあるかもしれないです。
さて公演終了後、ボロ雑巾のようになっていたわたしです。(でもすぐに仕事が!)
けれど公演を観に忙しいなか、なんとか駆けつけてくれた、友たちからの感想のメールが届くのが、とてもうれしい日々でした。
わたしにとって今回が4年ぶりの公演でしたが、その4年前の「シエラザード」の公演で大協力してくれた友、Tくんは現在、仕事でほとんど海外の日々のなか、千秋楽に来てくれ、
前作とはまた違って、「全員で作った」感じがする、その場にいなかったのが悔しかった、
と言ってくれた。
ほんとうにものすごい熱だったと思う。役者スタッフ「全員」、あらためてありがとう。
これまで(シエラザード)は自分の本だったわけですが、わたしの芝居は「よくわからなかった」と言われることもままあり、今回も「わからない」と言う方もいらっしゃいました。
わたしはできたら、ただ感じてほしいのだけどな、と思い、しかしそれができないのは、作品になにが足りないのか、わたしの責任だよなあ、とこれまでさんざん悩んできましたが、
なにか今回、最後の日には「わかったりわからなかったり」するのもお客様の自由かな、と思うようになりました。
もちろん作品を完成させていくのに努力しない、わけはないですが、
みんながみんな、わかるように作る、ということだけが、芝居をおもしろくしていくことではない、と
わたしは思うんです。
「ちっともわかんなかったけど、なんかすごかったよ」と笑顔で仰ってくださる方もいて、
わたしはきっとたぶん、これでいいのだ。
と胸をはっておかなければ、ですね。
昼の回の終演後に何年ぶりかに会う同級生たちとお茶をして、まずは、
「あや・・・難解だよ」と言われ、「まあそれが・・・あやなんだけどねえ」
と芝居の内容というより人生ダメ出しをくらいましたが(人生ダメ出しはほかにも多々、いただきました)、つかちゃん、その後、びっしり書いたアンケートを送ってくれてありがとう。
また別の日、劇場にて、ある御年配の女性脚本家の方に、
あなたたちの演劇に託した想いが、とても伝わりましたよ、という言葉をかけていただきました。
いま、こういう芝居は少ない、できれば続けてほしい、とも仰っていただき、
わたしはにこにこしながら「お金なくなっちゃっいましたからねえ」と答えましたが(正直に!)、
ほんとうは少し半べそかきそうになるくらい、
子供な気持ちでした。わたしは小さい。
小さいわたしはけれど、その言葉にほんの少し、心を強くしていただきました。
あらためて、お客様たち「全員」に感謝を。
では次回から、各短編を振りかえってまいります。
「楽日、おめでとうございます」
経験豊富なアライ先生やミノリさんが言った。
そうか、無事に楽日を迎えられるということは、おめでたいことなのか、と思った。
今日で終わりだから、なんて野暮は誰も言わない。
そこには触れちゃいけないかのように、いつもと同じ本番前の光景が広がっている。
ヒラヤマさんは仮想パスタの皿を器用にくるくる回しているし、喉をやられてマスク姿のユタ氏はストレッチを入念に、イトウヒロキ君はリラックスして舞台に寝転がっている。
アスカ先生とユメちゃんとミホちゃんとが発声練習を始めれば、皆がふらっと参加する。
アライ先生はマ行の練習で「まめまめまめまめ」言っている。
ミノリさんは口癖で「ぺえぺえぺえぺえ」言っている。
ホリヒロキ君が突如バレエのステップを踏み始め、大爆笑が起こる。
照明のシムラさんは「なんだよ」つって表で煙草を吸い、舞台監督のフジモトさんはぼくに悪戯して僅かな暇をつぶし、助手のウオズミ君は相変わらずなんかかっこいい。
音響のナガノさんとヒナミさんは最終チェックに余念がなく、ビルを作ってくれた美術のオオシマさんは、きっと今頃、本番が無事に終わりますように、と祈っている。
日参している作家陣、タカギさんやミヤシタさん、制作のハヤカワさんは落ち着いた様子。
受付を手伝ってくれた細田刑事も相変わらず何か小難しく考えている。
肝心の演出家ヨシナガアヤは、劇場の入り口の階段の下から空を見上げる。
台風一過、今日も晴れてよかった、と言わんばかりに。
すべてはいつもと同じようでいて、でも誰もが『今日で終わり』ということを知っている。
そうやって本番が始まった。
なんだかいつもと違う。
下袖から窺っただけでも、みんな楽しんでいることがわかる。
『悪意の研究』のアスカ先生、ミホちゃん、ヒラヤマさん。
いつもより激しく感情をぶつけ合っている。
『Fool On The Roof』のアライ先生はいつもに比べて自分の台詞の間をたっぷり取っているし、ユタ氏は喉をやられているのに限界突破するほど声を搾り出している。
なんだ、ず、ずるい、負けてたまるか。
おしりダンス、下袖に帰りたくないよう、ずっとずっと、おしり振っていたいんだ、という思い。
下手だけど、動き硬いけど、今までの二ヶ月間があの腰つきに集約された。
終わった後、抜け殻のようになって、最後の場面を観に行った。
舞台上にはホリヒロキ君、ミノリさん、ヒラヤマさん、ユメちゃんがいて、輝いて見えた。
こうして照明音響ブースの横で舞台上を観るのも最後だ。
明日になれば、この夢から醒めてしまう。
明日はたぶん、午後から雨だ。
連日連夜の酒宴もたたり、本番四日目ともなると財布の中身、もとい、意識が朦朧としていた。
それでも、この日の昼公演。
脚立やら新聞やらおしりダンスやらを無事に終え。
『オドル』のスツールを片した後、本番中に下袖からロビーへと抜け出した。
何をするかというと、照明音響ブースの隣へ行くのである。
実は、そこには本番観劇用に作ってもらったスペースがあった。
今まで一度も利用していなかったが、いつまでも下袖でウダウダ引き篭もっている場合ではない。
梯子を上ると『彼らは雨を連れてやってくる』の最後の場面が見えた。
おばあさん役のミノリさんと、ヒラヤマさん、ホリヒロキ君が喋っている。
最後のシーンだけだけど、じっくりと腰を据えて観る。
すると、照明が舞台上の会話の内容に呼応するよう変化していくことに気付いた。
照明のシムラさん、魔術師だな、と今更ながらに感動する。
本番前の仕込みで、チャンチャカチャンチャカ早回しのようにライトを取り付けていたシムラさんもすごかったが、舞台上を把握しながらの照明操作もすごい。
夜公演も最後だけ観た。
シムラさんの照明を受け、ヒラヤマさんが言う。
「指差されて笑われてんよか。おいがあん時決めたとよ。笑われて歩いていこって」
個人的には、ここが一番泣けるところです。
でも、あれ、これって四日目のエピソードだっけ?
三日目の話なのか四日目の話なのか、もはやわからなくなっている。
皆様、どうかお酒はほどほどに。
<どうでもいい追伸>
先日の日常。
この稽古場日記を読んでいた人に「だから満足に脚立も出せねーんだよ」と罵られました。
おいもあん時決めたとよ、笑われて歩いていこって。
道化を演じているのだ、俺は、と釈明したが未だわかってもらえません。
中日(なかび)は夜だけの公演。
だからというわけではないが、二日目公演終了後、なにやら打ち上がっちゃった人がいた。
イトウヒロキ君である。
ベロンベロンで居酒屋に現れた彼は、肘にドレッシングをでらでら大量につけたまま、そのまま強引に身振り手振りで喋ろうとする。
やがて、感極まって泣く。
まだ早いから、と一斉にツッコミが入る。
翌日、つまり中日。
少し二日酔いのイトウヒロキの表情はしらっとしていた。
逆に、何ですか、みたいな。
そうやって、転換時のビル移動の練習をしている。
それを見て不安になって、ぼくも脚立を出す練習をした。
他に何かしなきゃいけないことがあるような気もする。
が、おかげで長らく続いた脚立問題は解決した。
今までは脚立に小物を載せた状態で運んでいたため、ヒトタビ脚立をひっかければ、暗転中にすべてがひっくり返る、という惨劇に繋がった。
しかし、小物を別に用意し、まずは舞台上に脚立を速やかに設置。
その上にゆっくりと小物類を配置すればいい、ということに気付いたのである。
まさにコロンブスの卵的大発想。
素晴らしい発見だ、と思って舞台監督のフジモトさんに報告した。
「うん、知ってた。なんでそうしないのかなって思ってた」
あのう、ええと、うんと......バカだったんです。
その夜、イトウヒロキ君のようにベロンベロンになってやろうかと本気で思った。
書きそびれていたことがあった。
初日にあわせて、台風が直撃したのだった。
仕込みの頃から降り続く雨に「午後から雨になるでしょう、つぅかもう降ってるし......」というような会話を四度ほど耳にした。
さもありなん。
初日の後、台風は足早に東京を過ぎ去っていった。
二日目マチネの頃には、台風一過ですっかり快晴。
これをば個人的に『てるる、遅ればせながらの効果覿面』と呼ぶ。
ユタ氏作『てるる』が台風を追い払った正義のヒーローだとするならば、台風を呼び寄せた悪の親玉は果たしていったい誰なのであろうか。
疑問だけが残る。
この日は昼夜の二回、公演があった。
マチネ。
とある焼酎バーのマスターが観劇にきてくれた。
感想を伺おうと思ったら、「台風で浸水しちゃって店ン中が大変なんだよ、一ヶ月くらい店閉めるから」と衝撃告白を残し、悲痛な面持ちで帰っていった。
そんな大変な時にわざわざ......。
どうか午後から雨になるでしょう、がトラウマになりませんように。
ぼくがやらなければならないこと、はどうだったかというと、相変わらず缶コーヒーを逆さまに設置してしまった、猛省。
ヒロトさん役のヒラヤマさんは、逆さまに置いてあった缶コーヒーをどのように処理したのだろうか、舞台上を見ることができないのでとっても気になる。
ソワレ。
皆が次第に落ち着きを取り戻しつつあった。
演者さんたちを例に出すと、稽古よりも感情の起伏に富み、舞台上で楽しんでいる様が手に取るようにわかった。
ま、薄暗闇でただ台詞を聴いていただけなんだけど。
薄暗闇で生活するうち、違いのわかる男になってきたのかもしれない。
ぼくがやらなければならないこと、に関しては初めて大きなミスもなく、ソツなくこなした(と思う)。
やったぜ、と充足感が残った。
あ、そうそう。
昼公演が終わった後、女性(美人)のお客さんが一人引き返してきた。
「なんだなんだ?」と思ったらば「あのう、てるてるぼうずを売っていると聞いたんですが」と言う。
そりゃきっと『てるる』のことですよ、こちらですどうぞどうぞ、と案内した。
台風回避てるる、大人気。
初日。
場当たりゲネプロと駆け抜け、いよいよ初日の本番。
すでに一日の体力の半分以上を消耗しているのであるが、なぜか興奮気味。
ふと周りを見渡すと、高揚した空気が充満している。
きっとそれが初日というものなのだ。
やがて開場時間が迫り、ホームポジションであるところの下袖の奥にうずくまった。
開演30分前にして、こちらはスタンバイOK。
お客さんが続々と入ってきているのがわかる。
初日は満席、完売御礼。
ただ、スタンバイしてしまうと何もできない。
薄暗闇でたった一人、ぽつねんとただ過ごすしかない。
いったいこの時間はなんなのだろうと座禅を組んでみる。
うーん、わからん。
寝っ転がってゴロゴロ悶えてみる。
ますますわからん。
隙間から客席の様子が見えないかなぁ、どんな人々がきているのかなぁ、とパネルの隅っこを凝視してみたが、こっち側から見えているということは向こうからもこっち側が見えているかもしれないということである。
こっち側の明かりが洩れたり、こちらの姿が見えていたら舞台装置上の大問題になる。
だから見えるわけがない。
さすがの舞台監督フジモトさん、細部までぬかりないっす。
そうこうしているうちに、オープニングが始まった。
じっと舞台上を想像しながら、耳を研ぎ澄ませる。
音や僅かな明かりだけで芝居を感じていると『悪意の研究』出演中のヒラヤマさんの声が、稽古時よりも上ずっているのがスルドクわかった。
皆、やはり緊張しているのだ。
初日って緊張するんだぜ、今ならそう胸を張って言える。
なぜなら、ぼくも緊張していたから。
ぼくには五つほどやらなければならないことがある。
その一つ目。
・『悪意の研究』が終わり、暗転になったところで脚立を慎重に......ガンガラガッシャーン!
おもっくそ脚立をひっくり返した。
しかも小道具ごと。
やらなければならないことでもなんでもなく、そんなことしちゃったらまるでイカンことなのである。
ヤッベーどうしようヤッベー、あたふたしながら、なんとかかんとか脚立を置き、その上にさらに水筒と缶コーヒーを設置するという作業を終え、下袖に引っ込んだ。
あとはもう懺悔のオンパレード。
すいませんすいません、神様仏様ヨシナガ様すいません、脚立をこかしてしまってすいません。
そうやって懺悔に夢中になり、やらなければならないことパート2の、『Fool On The Roof』で使用した新聞紙の片付け、をすっぽかした。
最悪だ。
バカバカ俺のバカ。
大事には至らなかったが、この負の連鎖。
穴があったら入りたい、と思ったが、すでに穴蔵のような場所(下袖)にいた。
ほっ。
もうその後の記憶はほとんどない。
あっという間にお芝居は流れていき、カーテンコールまで到達した。
表向きには無事に終演を迎えたように思えるが、実は無事でなかった。
そう声を大にして言いたい。
それが初日ってもんなのだ。
本番の前には当然のように下準備が必要で、それをば称して『仕込み』と呼ぶ。
我々スタッフだけではなく、前述の細田刑事も仕込みの助っ人として駆け付けたが、ぼくはリトル遅刻してしまった。
すみません、皆様......という懺悔もありつつ。
下準備が終わると、場当たりやゲネプロが速やかに行われる。
照明が加わると稽古場で観ていたものよりも、飛躍的に面白くなった、という感想。
照明担当のシムラさん、稽古場では頑固一徹職人、やるときゃやるよ風な雰囲気を醸し出していたが、なるほど、と頷かざるを得ない。
本番はきっともっと完成度が上がる。
一瞬ワクワクしたものの、本番がどうなっているか、ぼくは一部始終をただボンヤリと眺めているわけにはいかないのであった。
なぜなら、ぼくにはやらなければならないことがある。
・『悪意の研究』が終わった後の暗転、次の『彼らは雨を連れてやってくる』に必要な脚立等小道具(冒頭のヒラヤマさんがお弁当食べているシーン)の準備。
・『Fool On The Roof』出演のユタ氏の出入りの介錯。
・『Fool On The Roof』が終わった後の暗転、新聞紙の片付け。
・『オドル』直前のおしりダンス(小道具設置)出演。
・『オドル』終了後の小道具はけ。
以上、五つ。
ずっと下袖にこもりっきりの『下袖の帝王』として君臨するのであるからして、本番の様子を真正面から観ることができないのである。
そんなんで後日談を語れるのか、今ちょっと心配です。
ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
ボク的には失敗を繰り返してしまいましたが、周囲の方々にボッコボコ痛めつけられることもなく、なんとか無事に五体満足で全日程を終了することができました。
「稽古場日記は、劇場入りして稽古場じゃなくなったから更新されないの?」という質問もありましたが、いえいえ、そんなこともなく、なかなか抜けない疲労とアルコールに苦戦していただけであります。
さて、稽古場からではなくなってしまいましたが、このゴゴアメプロデュース『午後から雨になるでしょう』という公演の中身がどうなっていたのか。
これから数日間、はりきって振り返っていこうと思います。
あの日あの時のあそこんところはどうなってたんだよ、という疑問をお持ちの方、これからの後日談では、もしかしたらそういった疑問が解消されるやもしれません。
というわけで、引き続きよろしくおねがいします!
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」
きのう、無事公演終了いたしました。
ご来場いただきましたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
千秋楽はあたたかい雰囲気の客席に包まれて、芝居もいちばん、
いい感じだったと思います。
芝居は生ものだなあとあらためて思う公演でした。
終演後の打ち上げは、もう打ち上げは朝までは無理、と言いながらも・・・でした。
おつきあいいただいたスタッフのような家族と、家族のようなスタッフ、全員にありがとう。
打ち上げ中はわたしはいつでも誰ともマトモに話せずで(じゃあ、朝までなにをしているのだろうって話ですよね)こんどまた、ゆっくり、会いましょう。
9人の役者たちに、お疲れさまでした。
わたしから1人ずつに、確かにプレゼントを渡せたろうかと気になりながらも、
渡せたり渡せなかったり、渡してもリボンのほどき方がわからなかったり、
するのじゃないかと思うけど、まあ忘れた頃にあの日々はなんだったんだろう、
ともかくえらく疲れたよなあ、と思い出してもらえたらいいな。
6人の大人子供たちはまた飲もう。
そして3人の子供たちとはそう会えないけれど、でもわたしはいつでも
きみたちを、応援しているよ。
このブログをたのしんで読んでいただいていたみなさんにもありがとう。
これから2週間ほど更新をお休みします。
お休み後に、作品のことを振りかえって書きたいと思っています。
料理ブログもフッカツしますよ。
その間に、今回、わたしのジョシュとして毎日稽古場に参加、
公演中は裏方からほんのちょっぴり出演もして、大活躍であった、
カナザー先輩がゴゴアメ振りかえりブログを書いてくれるとハリキッテいますので、
そちらをどうぞおたのしみに!
土曜の昼・夜の回も無事終了、残り1ステージになりました。
土曜日のお客様たち、ありがとうございました。
終演後のお客様たちの笑顔に支えられた1日でした。
それから、客席でひっそりと涙を流してくれたお客様に...ありがとう。
あす日曜が最終回となります。
できましたらお客様全員とお話したいと思うわたしです。よろしければ一言でも、お声おかけください。
あの、開演前のご挨拶でカミまくってるのがわたくしめです...、すみませんほんとう。
申し訳ございませんが、日曜最終回はすでに完売しております。
キャンセル待ちなどのお問い合わせは劇場にお電話ください。
(中目黒ウッディシアター 03‐3791‐6566)
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。詳しくは公演情報を。
中目黒駅より少し歩きますが、商店街がそろそろ終わりかな...と不安になったころにある、小さなかわいらしい劇場です。人気の野菜スイーツのお店からもう少し先です。
では千秋楽のお客様、熱くお待ちしております。
これまでいらしていただいたお客様と、またはいらしていただけなくても激励をいただいたみなさまに、支えられ、また、鍛えられました。
大人な子供、子供な大人の9名の役者たちと、スタッフ一同、
劇場にてみなさまにお会いできるのを心よりお待ちしております!
舞台上も客席も、みんなが思いおもいの扉を描いて、その扉を開けますように!
金曜夜の回も満員御礼、お忙しいなかのご来場ありがとうございました!
わたしは懐かしい方々にもお会いでき、また、あたらしく出会えた方々もなぜか、
懐かしく感じる夜でした。
きちんとご挨拶もできずにごめんなさい、ほんとうにありがとうございます。
できましたらお客様全員とお話したいと思うわたしです。
よろしければ一言でも、お声おかけください。
終演後、役者たちが笑顔でお待ちしているなか、無粋にうろちょろしておりますのがわたしめです。
残り3ステージです。
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。(詳細はこちらを)
10日(土)昼14時の回は残席わずか、夜19時の回もまだ間に合いますので、
できましたら劇場にお電話にて、ご予約くださいますよう、お願いいたします。
申し訳ございませんが、日曜最終回はすでに完売しております。
ご予約、お問い合わせは劇場にへお電話ください。
(中目黒ウッディシアター 03‐3791‐6566)
中目黒駅より少し歩きますが、商店街がそろそろ終わりかな...と不安になったころにある、
小さなかわいらしい劇場です。
人気の野菜スイーツのお店からもう少し先です。
初日から毎日少しずつ、成長してきたかなと思う芝居になっております。
それもお客様たちのおかげです。
大人な子供、子供な大人の9名の役者たちと、スタッフ一同、
劇場にてみなさまにお会いできるのを心よりお待ちしております!
台風どうなることかと思いますが、晴れてよかったです!
ウッディシアターの森脇さんは強力な晴れ女だそうで、森脇さんに感謝!
電車が止まってしまって、遠回りして焦りながら辿りついてくれた、音響永野さん、お疲れさま!
そして強い風のなか、劇場にお越しいただいたきのうのお客様、ありがとうございました!
なんとなくあたたかい雰囲気の客席でした。
さて本日金曜は夜の回のみなので、きのうの飲み会は「打ち上げか?!」という勢いでした。
イトウヒロキはコントの酔っぱらいみたいだったもんなあ。
「ヒラヤマさん! どもすみませんでした!」って手をついたまま、起き上がれなくなって、そのまま寝ちゃっていびきでもかくかと思ったら、ヒラヤマくんの足の下に這って入っていこうとしてたもんなあ。さすがイトウヒロキ。...元気かなあ、きょう会うけど。
えー、本日9日(金)19時の回、あす10日(土)昼14時の回は残席わずかです。
土曜夜19時の回もなるべくお早めにご予約くださいますよう、お願いいたします。
申し訳ございませんが、日曜最終回はすでに完売しております。
ご予約、お問い合わせは劇場にへお電話ください。
(中目黒ウッディシアター 03‐3791‐6566)
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。詳しくは公演情報を。
中目黒駅より少し歩きますが、商店街がそろそろ終わりかな...と不安になったころにある、小さなかわいらしい劇場です。
人気の野菜スイーツのお店からもう少し先です。
大人な子供、子供な大人の9名の役者たちと、それを相手にしているあいだに日々コドモ化してきたスタッフ一同、
劇場にてみなさまにお会いできるのを心よりお待ちしております!
無事開幕いたしました。
初日のお客様がた、ご来場ほんとうにありがとうございました!
二日目、8日木曜14時の回と19時の回、どうか台風の影響ないよう祈りつつ・・・
みなさま無事のご来場をお待ちしています。
「午後から雨になるでしょう」なんて名前つけるからこんなことになるんじゃー!、と
お客様に叱られるよ、とスタッフからも言われておりますが、
私は決して、「午前から雨」とも「台風になるでしょう」とも願っておりません。
どうかお許しを。そしてどうか雨よ穏便に。
11日(日)最終回は先にお伝えしたとおり完売いたしまして、
9日(金)19時の回と10日(土)昼14時の回も残席わずかです。
チケットは劇場にお電話にてご予約、またお問い合わせいただくのが、
いちばん、早く正しいと思われますので、おすすめいたします。
(中目黒ウッディシアター 03‐3791‐6566)
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。
詳しくは公演情報を。
中目黒駅より少し歩きますが、商店街がそろそろ終わりかな...とやや不安になったころにある、
小さなかわいらしい劇場です。人気の野菜スイーツのお店からもうちょっと先です。
役者、スタッフ一同、劇場にてみなさまにお会いできるのを心よりお待ちしております!
本日初日です!
おかげさまで本日のチケットは完売いたしました。
11日(日)最終回は先にお伝えしたとおり完売、
9日(金)19時の回と10日(土)昼14時の回も残席わずかです。
まだ8日(木)昼14時の回と夜19時の回がたくさんございます、台風の影響が心配ですが...。
この日はもうほかの回の5倍熱く、お届けいたします!
10日(土)19時の回もまだお席あります、どうぞご予約を!
チケットは本日より劇場に直接お電話にてご予約していただくのがいちばん、早いかと
思われますので、こちらのブログをご覧の方にはぜひおすすめいたします。
(中目黒ウッディシアター 03‐3791‐6566)
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。
詳しくは公演情報を。
中目黒駅より少し歩きますが、商店街がそろそろ終わりかな...というころにある、小さなかわいらしい劇場です。
役者、スタッフ一同、みなさまにお会いできることを心よりお待ちしております!
通し稽古の日々が始まったかと思えば、もう終わってしまった。
短編オムニバス、という名目ではありますが、全ては一つの作品である。
初めて通して観ていた後、感動して涙しそうになった。
その時はなんとかこらえたけど、稽古後しばらくたってからも、ヒラヤマさんの顔を見るたび、あるシーンがリフレインして苦労した。
「なぜ今泣いているのだ、君は」と言われるタイミングだから、きっと理解してもらうことが難しい。
だから、頑張ってヒラヤマさんの前では泣かなかった。
誰かに決められた人生ではなく。
誰かの考える素敵な人生ではなく。
ただ明日へ向かって。
さて、こんな拙いぼくですが、本番では極秘裏に出演します。
通し稽古後、ぼく自身はそんなにダメを出されるわけではないので、正直不安である。
あそこん時のあそこの角度とかあそこの動きのあわせ具合とかどうなんだろう、と思っていたりする。
どうせやるならブロードウェイミュージカルばりに完璧な動きを、と思っているのだが、上演時間の都合もあって、そこまで本格的にできないんだなぁ、これが、残念。
あとはもう個人的にアライ先生とミヨコ先生に教わって己を高めるしか術がない。
あそこん時のあそこの動きにキレが加わるよう、本番中もストレッチと筋トレはかかさないぜ(注・演出助手の役割ではありません)。
余談だが、写真のイトウヒロキくんは、となりの看板女優に『頭がおばちゃん』と呼ばれていた。
過日、見学にいらっしゃっていたミナキさん。
隣に座っているのが、ゴゴアメの看板女優、みのりさんです。
新型インフルに慄きながらも、本日、稽古場での全日程を終了し、明日からは仕込、そしていよいよ本番が始まります。
稽古中、『○○っぺー』が口癖の看板女優は、呼び名界において数々の伝説を残した。
まず、作家タカギさんとのブログ戦争をひきおこし、タカギさんのことを『オサカナ』と呼んだ。
続いて、ヒラヤマさんを『ダチョー』と呼んだかと思えば、いつしか『だてふ』となり、しまいには『矢印』へ昇華した。
最近では、ユタ氏をその立ち姿から『逆くの字(見る方向によっては正しいくの字であるともいえる)』と呼び始める。
さらにいうと『センパイ(ぼくのことです)』を禁止されているのに『センペー』と呼び、メガネをかければ『アンジェラ』と呼び、その脚のか細さから『カモシカセンパイ』とも呼んだ、てやんでいだ。
総じて見た目から判断してそうやって呼び名をつけるのであるが、どれもなぜか少しだけ親しみやすいから不思議だ。
稽古場でも『ダチョー』や『だてふ』が流行ったりしている。
唯一タカギさんだけは見た目判断ではないのだけれど......。
おっとしまった、看板女優についての真実は書いちゃいけないのであった、失敬失敬。
以上、全部ウソです、ぼくの妄想です。
速報です。初日7日(水)のチケット、おかげさまで完売いたしました。
11日(日)最終回は先にお伝えしたとおり完売、10日(土)昼14時の回も残席わずかです。
でも大丈夫! そのほかの回はまだまだチケットございます。
特にお客様を広く広く募集しておりますのは、8日(木)昼14時の回と、夜19時の回も!
チケットはあす6日(火)から、劇場に直接お電話にてご予約いただくのがいちばん、早いかと思われますので、こちらのブログをご覧の方にはぜひおすすめいたします。
(中目黒ウッディシアター 03‐3791‐6566)
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。
詳しくは公演情報を。
ちょっとあんまりこんなの観たことないなーという、見物になっているかと思います。どうぞよろしく!
写真はきょうで最後だった稽古場の、休憩中からもう一枚。
本日、稽古陣中見舞いにいらしていただいた辻監督、ありがとうございました、
本番お待ちしております!
あすは劇場入り。音と明かりはこの1日と初日前に決めていかなければならないので、毎回、ここが最大に神経をつかうところ。
身体は疲れがピークにきているし、いつも初日が開く頃は失神しそうになる・・・
でもいまは、疲れていても元気な顔しているみんながいるおかげで、わたしもなんだか、元気よ。
まーカラゲンキもゲンキのうちさ。
拙いエンシュツにここまでおつきあいいただいた、役者9名に感謝。
これまでのガタガタした道のりと日々を胸に誇りに、あとは思う存分、旅立ちたまへ!
ってなこと書いて、あ、ちょっと待って、あとさ、って呼び止めたりするけどぅ。ははは!
スタッフのみなさまはあすから更に深くおつきあいよろしく!
ではあさって7日(水)より、台風にはどうか遠慮していただくことを祈りつつ、
役者、スタッフ一同、みなさまのお越しを心よりお待ちしております!
今週水曜からいよいよ本番です。
7日の初日のお客様! 熱く熱く、お待ちしておりますよ!
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。
11日(日)最終回チケットはおかげさまで、完売になりました。
10日(土)昼14時の回も残席わずかです。
そのほかの回はまだまだ売るほどチケットございます。
ローソンチケット、イープラス、J-Stage Navi(チケットフォームあり、お問い合わせもこちら。
なお、6日火曜日からは劇場へのお電話でご予約承ります)
公演情報とチケットについて、詳しくは公演詳細を。
こちらはわたし、エンシュツ、ヨシナガのブログと、
エンシュツジョシュ、金弘哲くん(ことカナザー先輩)の稽古場日記がありまして、
どちらも日々更新中。そしてカナザー先輩は本番にコッソリ、出演もしている?! 乞うご期待!
写真は休憩中の稽古場より。
なんとなく...稽古場が狭かったからかな、もう劇場入りした楽屋みたいな雰囲気の役者陣です。
きのう稽古陣中見舞いに来てくれた鈴ちゃん+よちだくん、ミナキくん、衣織ちゃん、
ありがとう!!
そして稽古場と別なところで美術班が本日、さきほど、完成したもよう、劇場にて合流。
美術大島さんには何度もプランを練り直していただきまして、ほんとうに感謝。
稽古残り1日。9名の役者はみんなそれぞれに個性異なれど、力強さを感じている。
さらに力強くいってほしい、ほんとうの強さというのはさ、やさしいってことだよ。
きみたちはみんなそれに本能的に気づいている。
もっといこう。強く、やさしく!
彼女たちが持っている色とりどりの、これが噂の藤岡豊の作る「てるる」。
劇場ロビーにて無謀にも販売いたします!
そしてこの4人(マスクのナゾの美女がリーダー)が「午後から雨になるでしょう」女優一同です。
心より、みなさまのご来場お待ちしておりますってるる♪
来週水曜からいよいよ本番です。
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。
11日(日)最終回チケットはおかげさまで、完売になりました。
土曜昼14時の回も残席わずかです。
そのほかの回はまだまだ売るほどチケットございます。
ローソンチケット、イープラス、J-Stage Navi(チケットフォームあり、お問い合わせもこちら。
なお、6日火曜日からは劇場へのお電話でご予約承ります)
公演情報とチケットについて、詳しくは公演詳細を。
こちらはわたし、エンシュツ、ヨシナガのブログと、
エンシュツジョシュ、金弘哲くん(ことカナザー先輩)の稽古場日記がありまして、
どちらも日々更新中です。
本日は通し稽古その2回目。汗だくで役者9名、奮闘しています。
お酒も飲まずに十五夜の月を見あげながら帰ってきました。
稽古場と別の場所で、美術大島さんも汗をかいてくれています。
そちらではある4つのものが...作り出されていっており、これがもう、すごく素敵なものになりそうです。みなさま乞うご期待!
きのう陣中見舞いに来てくれたカヨコ、ヤツハシのおみやげありがとう!
きょうは、みな吉、おにぎりまた泣きました。ありがとう!
公演終わってからしばらくあとになるけど、十三夜もそれぞれの空を、見あげようぜ!
本番間近です。
10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。チケット発売中です!
きのうのブログでお伝えしたように、11日(日)最終回はおかげさまで、完売になりました。
土曜昼14時の回も残りのお席少なくなってきております。
そのほかの回はまだまだ売るほどチケットございます。
ローソンチケット、イープラス、J-Stage Navi(チケットフォームあり、お問い合わせもこちら)にて。
公演情報とチケットについて、詳しくは公演詳細を。
こちらはわたし、エンシュツ、ヨシナガのブログと、
エンシュツジョシュ、金弘哲くん(ことカナザー先輩)の稽古場日記がありまして、
どちらも日々更新中です。
きのう無事、都内スタジオに小道具搬入して最終稽古5日間の1日目、
稽古終了後にスタッフとの打ち合わせ兼ねて、久しぶりに(!?)飲みました。
写真は帰り道のホームにて。(お、電車があるうちに帰ってる)
なんとなくの後姿が、美代子先生と、スタッフリーダー・照明の志村さんです。
このお二人について書こうと思うとどこから書いていいかわかりません。
お二人とも十何年ものおつきあいです。
志村さんの照明はものすごくきれいで、きれいなだけでなく、深い。
わたしの芝居はいつも、照明がいいと誉められます。
でもね、志村さんを動かしているのはエンシュツのわたしの力なんだよ。とわたしが言っても、
誰も耳を貸しません。
志村さん自身はとえいば、アンケートに誰か照明のおれが格好いいと書いてないか?
と聞いてきます。見えませんから、お客さんに照明ブースは。
そんなわけで、舞台に姿は見えないけれど濃密な芝居をするもう1人の役者、それが志村照明です。
これは劇場にて生で、観ないとわからない素敵さなので、チケットを買っていただいたみなさま、
どうぞご期待ください!
そして...美代子先生はIVYカンパニーのダンスの先生であり、わたしの長年の親友であり、
そして我らがセイユー・アライのパートナーでもあります。
わたしがとても尊敬する彼女ですが、今回はいろいろとご協力願ったうえに、さらに図々しく、
「オドル」(藤岡豊・作)に振付をお願いしてしまった。
蔦美代子振付はうつくしく、色っぽく、感情が溢れていて、わたしはずっと、彼女の振り付けのファンでもあり、お引き受けいただいて、すごくうれしかった。
踊るのは、彼女の教え子にもあたるユメ、中村優芽ちゃん。
このシーンは見どころのひとつです! おたのしみに!
本日は初通し稽古もあり。
雨が続きそうですが、ココロは晴れで。いってきます!
先ほど11日(日)15時の最終回のチケットが完売になりました。
土曜昼14時の回も残席少なくなってきております、こちらの回のご希望の方はどうぞお早めに。
なお、ほかの回はまだまだお席がございます。
特に7日(水)初日、10日(土)夜19時の回がおすすめです!
来週、10月7日(水)~11日(日)中目黒ウッディシアターにて、
午後から雨になるでしょうプロデュース「午後から雨になるでしょう」公演。
4人の作家による4つの短編劇オムニバス。
チケットはローソンチケット、イープラス、J-Stage Navi(チケットフォームあり、お問い合わせもこちら)まで。
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします!
公演情報とチケットについて、詳しくは公演詳細を。
さあ、これから小道具類をスタジオに搬入! 残り5日の稽古、いってきます!
先日、二日間の稽古休みを利用し、引越してみました。
無理矢理すぎて死ぬかと思いました。
気付けば本番まで残り一週間。
稽古場が駅から離れた場所に変わり、転換の練習が始まり。
男子ほぼ無関係のスイーツブームが到来し、「ダチョー」が「だてふ」になり。
もちろん、各作品の完成度、モチベーションも日々高まっております。
これから、一つのミスが命取り、の厳しい世界に突入していくのかもしれません。
さて、舞台監督のフジモトさん作成の香盤表(段取りが書いてある)がありまして。
そこに『午後から雨にねるでしょう』と表記されていたのを、ボクは見逃さなかった。
厳しい世界になるようなならないような。