午後から雨になるでしょうプロデュース『午後から雨になるでしょう』はすでにお伝えした通り、短編作品が四つ融合した一つの作品であります。
従って、四作品の稽古が日々同時多発的に進んでおりますが、面白いことに気付かされた。
作品ごとに稽古場の空気がまったく異なるのだ。
まず『悪意の研究』の稽古場では、暗く沈んだ陰鬱な空気が立ち込めようとする。
しかし、出演メンバーや演出家は、すぐさまその空気感に気付き、悪意に負けじと半ば無理やりにテンションを上げ、和気藹々に。
結果、なんだかとても複雑な空気になる。
『Fool On The Roof』は硬質で重量感のある空気が充満する。
攻撃的な内容に圧迫されながら、お芝居がゴキゴキ形作られていく。
対照的に『オドル』の稽古場は、ぷるんとした柔らかな空気が漂っている。
稽古場自体がまるでファンタジーの世界のようであり、身につまされる思いのする現実でもある。
そして『彼らは雨を連れてやってくる』は、長旅から家へ帰りついた時のあの安堵感だ。
阪神でいえば(?)、夏の高校野球が終わった後の甲子園球場での久しぶりの試合、の空気。
ウォーミングアップのバレーボールや椅子取りゲーム、特殊なエチュード。
おかげで全員の心が開放的になっているのかもしれない。