先だって、静岡市を強襲した震度6弱の地震。
ちょうど実家の静岡市に滞在中だったワタクシは、バッと飛び起き、そして悟ったのです。
「これは死ぬヤツだ、全てはこれで終わる」と。
それまでの人生が走馬灯のように、なんてことは一切なく、建物の天井が崩れ、落ちてきた瓦礫に挟まれながら、「ぽう」と肺の中の空気を吐き出し、そして死んでいく様だけが脳裏を過ぎった。
ああ、そういえばPCのハードディスクの中とか、ベッドの下(ベタ)とか、あまり綺麗ではない部屋の中とか、他人に見られたくないなあ、とも思った。
そうやって運命に抗えない自身を悟った瞬間から、冷静に脱力していた。
きっと、スプートニク2号に載せられたワンコも、そういうふうに脱力していたのかもしれない。
地震が止まった後、死ななくてよかった、と思った。
そして『彼らは雨を連れてやってくる』の初本読みで、またそう思った。